帯山中からの初めての塾生|激戦区の中で――帯山地区から届いたご縁
帯山中から、初めての塾生が!
帯山中学校といえば、熊本でも有名なマンモス校。
当然、周りには塾も数えきれないほどあります。生徒数が多ければ、塾も増える――託麻中学校周辺も同じで、このあたりは塾業界では「激戦区」と呼ばれる場所だそうです。
そんなことも知らずに、私はこの地で教室を開きました。
後から「とんでもない場所で始めたんだな…!」と自分に驚きつつ、それでもたくさんの塾の中から当教室を選んでくださった方々に、心から感謝しています。
口コミというのは、場所すら超えるものですね。
そんな中、帯山中学校から初めて生徒が入塾してくれました。
きっかけは、親戚が託麻校区に住んでいて、当教室の評判を聞き、「どうね?」と声をかけてくれたことだったそうです。
特に感心したのは、その生徒が自転車で通ってきていること。
「体力づくりも兼ねて、自転車で通います!」
と元気に言ってくれたのを聞き、自衛隊出身の私は密かにうれしく思いました。やっぱり、体も鍛えないとね。
そんな彼とのエピソードもあります。
以前、私物のテキストを貸したのですが、返ってきたときには、しわしわになっていました。
「我がテキストに何をしてくれた~!?」と冗談まじりに聞くと、
「すみません、この前の雨で…。バッグが濡れてしまって、その中に入っていたテキストも…」と、しょんぼりした様子。
雨の中、傘も差さず、ずぶ濡れになりながら家まで帰った姿が目に浮かびました。
テキストのことよりも、その通塾の苦労に胸が熱くなり、思わず、
「気にせんでいいけん。それより風邪ひかんかったかい?大変だったね。」
と、かっこつけたようなことを言ってしまいました。
「はい、大丈夫です。でも、本当にすみません…」
「ほんと、気にせんでいいぞ。」
こうして一人ひとりの頑張りに触れるたびに、改めて思います。
塾はただ勉強を教える場所じゃない。
子どもたちの日々の成長や努力を、そっと見守る場所なんだと。
これからも、目の前の生徒たちと一緒に、少しずつ、一歩ずつ、歩んでいきたい。
そんな気持ちを、あらためて感じた出来事でした。