グチをこぼすということ
―休憩中のできごと―
生徒が学校の友達のグチをこぼしていた。
「もーすかーん!」
「ありえんくない!?」
大人も子供も同じ。ストレスもたまります。ソリの合わない友達もおります。
ただ、グチを言われている子がどんな子かは知りませんが、私としてはあまりいい気分にはなれず…ちょっと注意しました。
「あんまりグチっぽくなるといかんよ」
あ~あ、でましたか、大人の説教。はふ~。
みたいなオーラが出ておりました。
そこで、こんな話をしてみました。
タヌキ君はキツネさんに消しゴムを貸しました。消しゴムは数日たっても返ってきません。
タヌキさんは、「キツネさんに貸した消しゴム、返ってこんけん。パクられたぁ~」
冗談交じりに友達にグチをこぼしました。そのグチは友達から友達へ。そして、キツネさんの耳へ届きました。
『私、消しゴム返すの忘れとっただけなのに!とってないのに!忘れてただけなのに!
私だって、タヌキ君にシャーペンの芯けっこうあげたのに!すかーん!』
冗談っぽく話したグチは、人づたいに、”消しゴムを返さない人”という内容だけキツネさんに伝わっていました。
“シャーペンの芯”のグチをもらしてしまったキツネさん。不運なことに、またしても友達から友達に伝わって、そして、タヌキくんの耳へ
「はっ!シャーペンの芯くらいで!けち~」
そして、“ケチ”といったことが、また友達から友達に…そして、本人の耳へ…
二人は、どんどん仲が悪くなりました。
この話をすると、少々うけまして、
「あははは」と、少し伝わっている感じがしました。
そんなつもりもない一つのグチ。
ささいなグチをきっかけに、相手を誤解させ、誤解していることがあるかもしれない。
最後に、生徒にこう伝えました。
『グチは直接言いましょう!
って、それは、なかなかできんかも知らんけん、せめて、グチを言わない。言われたとしても、言い返さず、そこで止める。
できることなら、「はいはい」と、無視する。
友達と仲が悪くなると学校が楽しくないです。
悪くならないための努力もひつようですよね。』
5分後、生徒のグチが聞こえてきました。「先生の話、長くてつまらんよね。」がーん。