夕方4時のルーティン ― 教室準備はお風呂から
私の風呂タイムは、ちょっと早めの夕方4時ごろ。季節によっては、まだ陽が高い時間です。冬場のあったかい湯船にゆったり浸かるのは、最高のひととき。心も体もほぐれて、自然と肩の力が抜けていきます。
シャワーを浴びると、なぜか気が引き締まります。パチン、とスイッチが切り替わるような感覚で、「よし、教室モードに入るぞ」と自然に頭が回り始めるのです。
シャワーを浴びながら、頭の中ではその日の授業のシミュレーションが始まっています。
- 「この子は、前回の確認プリントを抜き打ちでやってみよう。復習してきてくれてるといいんだけどな……」
- 「この子は、証明問題を一緒に解いていかないと。どこまで理解できているかな……」
- 「この子は、まず宿題の間違い直しからだな。そのあと、確認テストで理解を確かめて……」
泡を流しながら、髭を剃りながら、生徒一人ひとりの顔を思い浮かべ、その日の授業構成を練っていきます。
恩返しは“わかる”という体験を届けること
生徒たちは、それぞれ大切な時間を使って、1日2時間という枠の中で教室に来てくれています。学校が終わって、部活や習い事をこなしたあと、疲れている中での通塾も少なくありません。それでも来てくれる――その「来てくれる」という事実が、すでに私にとっては大きな恩です。
だからこそ、その時間を無駄にはしたくありません。来てもらった分だけ、何かしらの知識を届けたい。「わかった!」という実感を持ち帰ってほしい。間違えることは悪いことではありません。一緒に間違いを見つけて、そこから学んでいく。その時間にこそ意味があるのです。
定期テストのスパンを意識しつつも、やはり一番大切なのは「今日」。今日どこまでいけるか、今日何を伝えるか。今日、どんな気持ちで教室をあとにしてくれるか。
最近、心に響いている言葉があります。
「一日一日を大切に 一つ一つを大切に」
どこかで聞いたような、ありきたりの言葉かもしれません。でも、日々子どもたちと向き合っていると、この言葉の重みをしみじみと感じるのです。
今日もシャワーを浴びながら、そんなことを考えています。